「焼き鳥はタレ派」に転んだ夜
余白に暮らす
余白に暮らす
サウナが好きだ。
きっかけは、6年ほど前に放送されたドラマ『サ道』だった。
そこで初めて「水風呂の存在」や「銭湯の椅子の意味」を知った。
ドラマの中で人が整っていく姿を見て、あの感覚を自分も味わってみたくなった。
一度入ってみると、もう戻れなかった。
毎週のように近所のサウナへ通い、旅行先を選ぶ基準も「サウナの評判」になった。
サウナイキタイ(日本最大のサウナ検索サイト)を眺めては、知らない街の施設を探すのが楽しみだったし、「サウナ・スパ健康アドバイザー」の資格まで取った。
すっかり、サウナに取り憑かれた数年間だった。

2年前によく通っていた施設が閉店してからは、少しずつ熱も冷めていった。
(サムネイルは閉店直後の入場イベントで撮影したもの)
今では、旅先や気が向いたときにふらっと寄るくらい。
もちろん、サウナは今でも好きだ。
そして、最近気づいたことがある。
私はぬるめの水風呂が好きだ。
ハマりたての頃は、熱いサウナに入り、キンキンに冷えた水風呂に入ることが最高の快感だと思っていた。
けれど今は、温度差を少なくして、体にやさしいリズムで楽しんでいる。
入る季節も、できれば初夏から初秋。
心地よい風に包まれながら、ゆっくりリラックスしていく時間が好きだ。
サウナは私に整いを教えてくれた。そして今は焦らないことを教えてくれている気がする。
今でこそ期間の限られる趣味となったが、あの日サウナを知ったことで、私の人生は少しだけ熱を帯びた。
そして今も、そのぬるめの熱が、静かに続いている。